Renovation / Yakuin, Fukuoka

2022.01 / 73.4㎡ , 2LDK

デザインと機能スペックの好バランス

子どもへの “想い” をカタチに

3人の男児を育てるMさん夫婦が新たな生活の拠点として構えた居住空間。作業効率の良いキッチンから続く27平米の開放的なリビングはM邸を象徴する空間です。とりわけ注目したいポイントは、フローリングや壁、天井など至るところに用いた美しい木材。

それらは、木の質感もさることながら、床は床用に、壁は壁用にとディテールを変えている点も見逃せません。なかでも無垢材(オーク)で設えたリブ仕様の壁は、柔らかな曲線を描きながらリビングと子供部屋を仕切る重要な役目を果たしています。一方で「わが子に多くの本に親しませたい」とする夫婦の気持ちを反映し、同壁は子供部屋に回ると半円形状の本棚になっています。

「色味を足さない」選択の意図

M邸はどの空間を切り取っても人工的な色を感じさせません。「色味を足さない」ことは、Mさん夫婦にとって重要なテーマでした。それもそのはず、子ども3人を抱える家庭において、生活用品(子どもの玩具含む)の増加は不可避。無意識に増えていく家財の一つひとつを“色”ととらえるならば、空間そのものに色がある必要性はないという選択をしたMさん夫婦は賢明かもしれません。

とはいえ、単なるシンプルを追求するだけでは味気ない。そこでMさんが着目したのは素材感。天井面、壁面はまさに好例です。いわゆる「塗り」で仕上げたモルタルの質感により、空間全体がより穏やかな雰囲気に。また、エントランスには漆喰を採用するなど、さり気ないアクセントに品を感じます。

 

快適性はスペックで補う

突出したアクセント(デザイン)ばかりがリノベーションの醍醐味でないことを指し示すMさん邸。夫婦、ひいては子どもたちの生活の快適性を前提としたことにより、団らんの場となるダイニングフロアの床暖房や可動式クローゼット(エントランス部分含む)の設置など、この家は空間ごとに高性能な「スペック」を備えています。これぞフルリノベーションゆえの自由な空間設計といえるでしょう。

 

カメラマン
広瀬麻子
ライター
瀬口賢一
種別
マンションリノベーション
所在地
福岡県福岡市中央区薬院
完成時期
2022.01
施工面積
73.4㎡
間取り
3LDK → 2LDK

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